税理士まめブログ

2013.12.25 資金運用表のアンバランスパターン

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回は、前回でてきた資金運用表のバランスについて書きます。

銀行が資金運用表で注目するのは、調達と運用のバランスです。
資金を長期的に運用するときには、返済期間が長い資金で調達しなければなりません。
長期で運用していれば、資金の回収に時間がかかるのに対し、調達資金が短期では
返済財源が不足し、資金繰りが詰まる可能性があるからです。

運用期間が短期の資金に対しては、調達は短期で対応しておくのが望ましく、短期運用
・長期調達も好ましくありません。この場合は長期運用・短期調達の場合のように資金的に
行き詰るということはありませんが、短期運用。長期調達だと不要な資金を手元に置く
ことになりますし、また資金調達コストは短期より長期の方が高いのが普通ですから、
無駄な費用がかかることにもなります。

つまり、長期運用・短期調達は資金不足を、短期運用・長期調達は不要なコスト増を招く
危険性があります。ちょうど良く資金の運用と調達のバランスさせることが望ましいのは
当然ですが、2つのアンバランスのどちらかをより問題視するかといわれれば、資金不足は
債務不履行、すなわち倒産の危険性が高まりますので、銀行は資金不足をより強く懸念します。

2013.12.20 資金運用表の分析について

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回は、前回でてきた資金運用表の分析について書きます。

銀行は、資金運用表をどのように見ているのでしょうか?
銀行が資金運用表で注目するのは、調達と運用のバランスです。

(1)資金の流れを確認
資金が最終的に足りていれば、倒産することはありません。資金の流出と流入には、
項目ごとに回収や返済期間の相違があります。
その回収と返済期間がアンバランスだと、資金の効率性が阻害されますし、短期的な
資金繰りに詰まる危険性もあります。資金運用表から資金の流れに無理、あるいは無駄が
ないかを確認しなければなりません。

(2)基礎資金は回収に長期間かかる
基礎資金で運用された資金は永久に回収されることがないか、回収に長期間かかる
ものです。基礎資金の運用にかかる資金調達を短期で返済しなければならない資金で
行っていたら、資金繰りに詰まってしまいます。したがって、基礎資金の運用を賄う
資金は基礎資金の調達であることが望ましいといえます。
特に配当や税金などの決算流出は戻ってこない資金流出ですから、返済不要の資金調達
である税引前当期純利益で行うことが適しています。

(3)運転資金は短期間で回収
運転資金の運用は必ずしも運転資金の調達で賄う必要はありません。運転資金の運用で
ある売上債権や在庫は、調達である買入債務より多いのが普通であり、売上が増加して
いれば調達より運用の方が多くなるからです。これを増加運転資金といいます。
増加運転資金は事業に伴って発生するものですから、事業が順調に運営されていけば短期間で
回収できます。したがって、こうした資金は割引手形や短期借入金の財務資金で調達すれば
いいことになります。
逆に、売上減少傾向のときは、運転資金は余ります。こうした会社では、運転資金が余るから
事業が順調で、運転資金が足りないから事業がうまくいってないということではありません。
あるいは、小売業などの場合は、売上が現金商売で、仕入れは買掛金などで行いますから、
売上が増えれば運転資金は余ることになります。こうした運転資金と事業成績との関係は
重要であり、銀行では業種によりどのような資金需要が発生するかを把握しています。

(4)財務資金で資金尻を合わせる
財務資金は最終的な資金尻を合わせるところになります。資金が不足すれば割引手形や
短期借入金で調達します。前にも述べたように、基礎資金の不足を返済期間の短い財務資金で
調達していれば、資金的には好ましくありません。近いうちに資金ショートを起こす可能性が
あります。しかし、運転資金の不足を財務資金で賄うのは、資金の性格からいって問題ありません。
逆に資金が余れば、現金預金を積み増します。キャッシュフロー的には資金が余ることは
いいことですが、経営面からは必ずしもいいとは言い切れません。なぜなら、現金預金はわずかな
預金利息を生むだけであり、収益に貢献しないからです。現金預金が恒常的に余剰なら、
設備投資で事業を拡大するとか、拡大余地がなければ株主還元を行うということも考えなければ
なりません。 

以上、資金運用表の分析でした。

2013.12.17 資金運用表の資金の分類について

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回は、前回でてきた資金運用表の資金の分類について書きます。

資金運用表では、資金を基礎資金、運転資金、財務資金の3つに分類します。

①基礎資金
基礎資金は企業の基本的な部分に関する資金の運用・調達です。別の言い方をすれば、長期的な資金です。
資金を運用すると、手元にキャッシュななくなりますが、手元にもう戻らない場合と、
いずれ成果を伴って手元に戻ってくることを期待できる場合があります。基礎資金は手元に
戻ってこない資金と、手元に戻ってはくるが戻るまでに長時間かかる資金が該当します。
配当や納税などの決算にかかる資金流出は、キャッシュが戻ることは期待できませんから
基礎資金としての運用になります。また、建物や機械などの固定資産に対する設備投資は、資金は
戻ってきましが回収には長期間にかかります。こうしたものも基礎資金の運用になります。

一方、基礎資金の調達は返済不要の資金と、返済は行うが返済期間が長い資金の2つがあります。
返済不要の資金とは利益や減価償却などの内部保留で生み出した資金であり、
返済期間が長期間の資金とは長期借入金になります。こうした資金調達は返済不要であるが返済に
余裕がある資金なので、長期の運用に充当することができるのです。

②運転資金
運転資金は事業活動に伴う資金の運用と調達を表示しています。
たとえば、製品や商品を購入し、在庫として保有するキャッシュが出ていきますが、その在庫が
売れるまではキャッシュは入ってきませんから、その間資金を運用していることになります。また、
得意先に製品や商品を売り上げてすぐキャッシュが入金すれば現金が増加しますが、売上の対価として
受取手形や売掛金を受け取ると、キャッシュが入ってきませんから、それもやはり資金を使っている
ことになります。これらは事業に伴い発生する運転資金の運用です。
逆に製品や商品を購入する場合に、支払手形や買掛金で対応していれば、キャッシュを支払わずに
商品の仕入ができているのですから、運転資金の調達ということになります。

③財務資金 
基礎資金と運転資金の運用と調達がぴったり一致するわけではなく、そこには資金の過不足が
発生します。資金の余剰があれば借入金の返済や現金預金を積み増し、不足すれば短期的な資金調達を
しなければなりません。
資金調達の方法は短期借入金と割引手形の二つの方法があります。この最終的な資金の過不足を調整する
のが財務資金になります。

以上が、資金運用表の資金の分類になります。

2013.12.13 融資を受けるための資金運用表

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回は、前回でてきた資金運用表について書きます。

非上場企業は資金運用表で資金の流れを分析することになるそうですが、
資金運用表とはどのようなものですか?
A6 資金運用表は資金の流れを基礎資金、運転資金、財務資金に分けて表示します。
キャッシュフロー計算書は作成が義務付けられていますから、様式は定形化されていますが、
資金運用表の作成は法定化されていません。銀行ごとに様式は異なりますが、
ほとんどの場合下図のような形式になっています。


ではまず、図の説明をします。

企業経営のためには、資金を様々な経営資源に運用しなければなりません。
そのためには資金をどこからか調達しなければなりません。資金運用表では運用を左側に、
調達を右側に表示します。

運用とは資金を何に使ったかということです。資金は建物や機械などの設備投資に使うことも
あるでしょうし、在庫などの運転資金に充てることもあります。また、株式や債券などの
金融商品に投資することもあります。
資金運用表の左側は資金の運用項目が並んでいます。

これに対し、調達とは資金をどのように作ったかということです。会社が事業を行い、利益を
上げれば資金が生まれます。また、仕入先に対する支払を待ってもらったり、銀行から資金を
借り入れすることでも資金を作ることができます。
資金運用表の右側は資金の調達項目が掲げられています。

と長くなるので、続きは次回書きます。

2013.12.10 融資を受けるための資金分析

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回は、融資をうけるための基礎知識として資金分析について書きます。

銀行は会社の資金がどのように流れたかということを重視します。
なぜ銀行は、資金分析を重視するのでしょうか?
それは、単純です。会社がつぶれるかつぶれないかを決めるのは利益ではなく資金(キャッシュ)
だからです。

決算書が利益とその結果である株主財産の状況だけの表示でいいとすれば、
貸借対照表と損益計算書があれば十分です。

株主という立場で会社と利害関係を有しているなら、利益と株主財産の動向が
一番の注目点になります。しかし、銀行は株主ではなく、資金を融資している
債権者です。債権者である銀行は株主とは違った立場で会社を分析します。

株主にとって最も重要なことは、利益をできるだけ計上し株主財産を大きくすることですが、
債権者が最も重視しなければならないのは、元本と利息の確実な回収です。つまり、融資
している会社がつぶれないことが最も重要です。そのため、銀行は資金分析に注目します。

では、資金分析を行う方法はどのようなものがあるのでしょうか?
資金分析手法は上場企業を中心とした大企業と、それ以外の会社で違ってきます。
従来、決算書といえば損益計算書と貸借対照表が中心でした。

しかし、先ほど説明したように会社にとっては資金の流れ(キャッシュフロー)が非常に
重要ですので、キャッシュフローを専門に説明する計算書が必要だということになりました。

そこで、公認会計士監査の入る上場企業では、損益計算書と貸借対照表に加えてキャッシュフ
ロー計算書の作成が義務付けられています。上場企業は会社が作成したキャッシュフロー計算書で
資金分析を行うことができます。キャッシュフロー計算書は会社が資金をどのように獲得し、
何に使い、結果として資金過不足をどのように調整したのかが分かるようになっています。

ところが、非上場企業ではキャッシュフロー計算書の作成は義務付けられていません。
会社が資金の流れを説明する計算書を作らないのですから、会社から提出された損益計算書、
貸借対照表、株主資本等変動計算書から資金の流れを解読する資料の銀行の側で作成しなければなりません。
それが資金運用表になります。資金運用表は会社が作成したものではありませんので、
キャッシュフロー計算書ほどにはキャッシュの流れの詳細を把握することはできませんが、
結果的に1年間にキャッシュがどのように流れたかを知ることは可能です。

以上、資金分析についてでした。

201312.05 融資を受けるための流動比率

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回から、融資を受けるうえで注目される項目の一つである流動比率について書きます。

流動比率は、貸借対照表から算定します。

流動比率=流動資産(A)/流動負債(B)×100
これは、直近の現金支払能力を判断する指標となります。

では銀行が融資をするかどうか判断する流動比率の目安はどのくらいなのでしょうか?
一般的に200%以上あれば安心だとされています。

流動比率が高いということは、短期に支払わなければならない流動負債に比べて、
短期に現金化する流動資産が多いのですから、会社の現金での支払能力(これを「流動性」といいます)
の高さを示しています。ただ、流動資産を現金化する期日と流動負債の支払期日は厳密に一致している
わけではありませんので、この流動比率は余裕を持って200%以上あることが望ましいとされています。

但し、流動比率は流動性の重要指標であることは間違いないのですが、業種や会社によっては流動比率
のみで判断することは危険な場合があります。流動比率よりもっと短期の支払能力が重要になることがあるからです。

それを検証する指標が当座比率になります。
流動比率の分子は貸借対照表の流動資産すべてです。流動資産には種々の資産が含まれています。
短期的な支払能力というからには、将来的にはいずれ現金になることが期待されるものでなければなりません。

ところが、流動資産には将来的にまったく現金になることが予定されない資産が含まれています、
たとえば、前払費用や繰越税金資産などです。 あるいは、将来的には現金になることが期待されても、
その期待が不確実な流動資産があります。たな卸資産、つまり在庫です。
こうした資産も含めて流動比率を計算しても、支払能力の厳密な歯亭ができない場合があります。

そこで登場するのが当座比率です。当座比率が100%を上回っていれば安心とされています。

当座比率は流動比率の分子を流動資産から当座資産に置き換えたものです。当座比率は以下の算式でもとめます。

当座比率=当座資産(A)/流動負債(B)×100

当座資産とは現金預金、受取手形、売掛金、有価証券(流動資産に計上されているもの)を指します。
ここに掲げた当座資産の中から現金になる確率がより高いものを選び出しています。流動資産と当座資産の最大の違いは、
たな卸資産が含まれているかどうかにあります。たな卸資産は現金化するのに時間がかかり、不確実性も高いので、
当座資産から除かれます。

このように当座資産は現金により近い資産ですから、当座比率が100%を上回っていれば、支払能力は安心だと
判断できます。

2013.12.02 融資を受けるための自己資本比率

こんにちは。大阪の本町で公認会計士・税理士事務所をやっている小豆澤です。
今回から、融資を受けるうえで注目される項目の一つである自己資本比率について書きます。

自己資本比率は、貸借対照表から算定します。


自己資本比率=自己資本(B)/総資産(A)×100
簡単に言うと、会社の財産のうちどの程度が自己資本で賄われているかの比率になります。

では、銀行が融資を行うかどうか判断する際の自己資本比率の目安はどのくらいなのでしょうか?
一般的に以下のように言われます。

・自己資本比率が50%以上あれば、優良会社
・30%以上あれば、合格ライン
・マイナス、すなわち債務超過だと融資は困難

とは言ったものの、その判断される目安も何%なら合格で、何%なら不合格と一概には言い切れません。
それには2つの理由があります。

①自己資本比率は業種によって大きく異なる。
資産をたくさん持って商売を行う不動産業などは自己資本比率は低く、
それほど資産を持たなくてもよいソフトウェア開発業などは高くなる傾向があります。
銀行では、業種によって自己資本比率の判断基準を定めています。

②銀行が違えば、基準となる自己資本比率の数値が異なる。
貸出金の安全性を重視する銀行は高い自己資本比率基準を設けますが、
貸出を積極的に行おうとする銀行は低い設定をしています。

そうしたことを踏まえた上で、あくまで一般的には目安を上記に書きました。

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